論文を書く技術 1
文の中の下線部分には選択肢のどれが入るか考えてください。
他の言語をよく知らずに、日本語が特殊だというのは軽率だと ① 。例えば日本語の語順はSOV型であるが、この語順は世界で一番多い。したがって、安易に日本語が特殊だとは ② 。むしろ、日本語は世界の言語の中でごく普通だと ③ 。
1.言える 2.考えられる 3.思われる (否定の形に変える場合が一つある)
藤原雅憲・籾山洋介編(1997)『上級日本語教育の方法』凡人社
正解・解説は↓
≪ 正解 ≫ ① は3 ② は2 (考えられない) ③ は1 です。
≪ 解説 ≫
事実と自分の考えは書き分けれらますね。次に考えを確信の程度によって書き分ける練習が必要です。
ここで説明する「…と思う」という意味の文末は、それぞれ微妙に違います。よく使う文末ですので覚えましょう。
まず、「…と思われる」は、特に根拠がない場合=「…と思います」
次に「…と考えられる」は、論理的な経過や根拠があり、=「…と考えるのが可能です」
最後に「…と言える」は論理的な経過や根拠が十分にあり、主張しています。一番確信が強い言い方です。
確信の程度から言えば「言える」が一番強く、次が「考えられる」。それらよりやや弱いものが「思われる」の順番です。
ちなみに、「…と思う」は主観的で、客観的な根拠に欠ける印象があるので、多用はしない方がいいでしよう。